売れに売れて、読んでいる人ばかりで、
それでもやっぱり気になって、読んでみたら、面白い。
ブームといってはなんだけど、新興宗教のあり方とか
人がバラバラと自分の人生だけに責任を持つ感じとか
殺すといくことが割とさらっと起こっていくとことか
財産を持つということが、世間の目に見えにくくなっているとことか
マッサージが重要なところとか
仕事と人生があまりにも残酷にリンクしていくところとか
その仕事が割と自分で選べてしまうところとか
ウソみたいな現実が、すぐ隣に音もせずあるところとか
それなりに小さな仕事にもプライドを持って生きているとことか
大きな権力を持つことが大きなあきらめにつながるとことか
天然な子が不思議なことを見通しているとことか
女子が世の中の軸を動かしているという裏のこととか
とかとか
ブームを読んで読んで、そこから確かに今の時代に
書かれた小説であるということをしっかりと感じることができて
で、ちゃんとブームを生んじゃうすごさ。
感心した。
2009年6月14日日曜日
設定がすべて「パラドックス13/東野圭吾」
なんか宇宙規模のすごいことが起こるんだけど
結局、最後まで宇宙規模である意味があまりない。
とにかく人間がいなくなった東京をさまようんだけど
意外と予想外のこととか起こらないものだなあと
淡々と読み進めてしまった。
ウソみたいに谷あり山ありの難所になる都心とか
洪水が起こったときに湖のような
池が行く手をはばんだりとか
人間の力で塗り固められた世界が
すごいしっぺ返しを食らうんだけど、まあ予想の範囲内。
聞いたことあることとか見た事あることとか
どこかで聞いたことのあるシミュレーションの中を
動く人間の想いとか業とかが読めるといいなあと
思っていたんだけど、そうもならず。
東野圭吾もののドンデン返しは、ここでそれいる?
みたいなことが割りと多いだけど、今回も再び。
だからこそ、この人が描く気持ちみたいなものの
ある意味のピュアさとかが好きなんだけど、
ハイパーSFすぎて、人間くささがどんどん減ってしまったのが
残念な感じだった。連載って毎回ヒット打つの難しいのね。
結局、最後まで宇宙規模である意味があまりない。
とにかく人間がいなくなった東京をさまようんだけど
意外と予想外のこととか起こらないものだなあと
淡々と読み進めてしまった。
ウソみたいに谷あり山ありの難所になる都心とか
洪水が起こったときに湖のような
池が行く手をはばんだりとか
人間の力で塗り固められた世界が
すごいしっぺ返しを食らうんだけど、まあ予想の範囲内。
聞いたことあることとか見た事あることとか
どこかで聞いたことのあるシミュレーションの中を
動く人間の想いとか業とかが読めるといいなあと
思っていたんだけど、そうもならず。
東野圭吾もののドンデン返しは、ここでそれいる?
みたいなことが割りと多いだけど、今回も再び。
だからこそ、この人が描く気持ちみたいなものの
ある意味のピュアさとかが好きなんだけど、
ハイパーSFすぎて、人間くささがどんどん減ってしまったのが
残念な感じだった。連載って毎回ヒット打つの難しいのね。
2009年5月29日金曜日
埋め合わせるもの「青山娼館/小池真理子」
高級とはいえ、身体を売る商売には変わらない。
でも、それで埋められるキモチをいうものもあると
きっと描きたくて、この小説は書かれたと思う。
思うんだけど、なんか悲劇を背負ってないと、
その商売にいかないという時代じゃないのが
どうにもひっかかる。肌を、身体を開くことで
満たされることがあるのは分かる。
でも、そんなに重たい重たい話ばかりではないのも
事実で、登場人物がいちいち深い悲しみを
背負っているから、この商売に身を賭してよいのだ
みたいな変なステレオタイプが、心にグサッと
入ってこなかったのが残念だ。
中で書かれている、金持ちたちの異常セックス描写が
本当にふるっていて、究極はもはや性器と性器の
ふれあいは遠く先のもので、それなしでいかに
感じきるかみたいなチャレンジになっていくのだなあと
妙な納得をしてしまった。
バスローブ着せて、そのまま風呂入らせて、
そこにバラを次々に投げ込んで、
裸を見えなくして(というか裸も見えてないんだけど)
それをみながらオナニーするという、どんな世界だ?
いったいぜんたい。
でも、それで埋められるキモチをいうものもあると
きっと描きたくて、この小説は書かれたと思う。
思うんだけど、なんか悲劇を背負ってないと、
その商売にいかないという時代じゃないのが
どうにもひっかかる。肌を、身体を開くことで
満たされることがあるのは分かる。
でも、そんなに重たい重たい話ばかりではないのも
事実で、登場人物がいちいち深い悲しみを
背負っているから、この商売に身を賭してよいのだ
みたいな変なステレオタイプが、心にグサッと
入ってこなかったのが残念だ。
中で書かれている、金持ちたちの異常セックス描写が
本当にふるっていて、究極はもはや性器と性器の
ふれあいは遠く先のもので、それなしでいかに
感じきるかみたいなチャレンジになっていくのだなあと
妙な納得をしてしまった。
バスローブ着せて、そのまま風呂入らせて、
そこにバラを次々に投げ込んで、
裸を見えなくして(というか裸も見えてないんだけど)
それをみながらオナニーするという、どんな世界だ?
いったいぜんたい。
取材に基づくとは「大地の子/山崎豊子」
もはや、本当にこんなことが?という感覚を
もってしまう平和ボケ世代。
実際に起こったことを取材を通して、
話の中に封じ込めていくのが山崎さんならば
あまりにあんまりな非情な事実。
残留孤児たちが受ける差別と実際に日本が行った非道が
バランスをもって天びんにかけられているならば
神様の天びんはあまりにも残酷に、子どもたちに
苦難を強いていく。何も解らずに自分の人生が
嵐の真っ只中にさらされている1950年代。
本当に命がけだったり、本気で何かに取り組む、
瞬間に僕らはどっしりと向き合っているだろうか?
中国に吹き荒れる、歴史の流れにもう翻弄されまくる
ひとりひとりの人間。無力でどうしようもないのに
自分の人生を諦めないすさまじい想い、志。
結局は、人生を形作っていく、人の絆。
それも、血とかそんな単純なものでは語れない
生きることの本質に迫る、結びつき。
最後に「わたしは大地の子だ」という主人公の一言の
あまりにも重いタイトルせりふに言葉を失った。
信念と自分の人生を自分で切り開く力を大事にしたい。
もってしまう平和ボケ世代。
実際に起こったことを取材を通して、
話の中に封じ込めていくのが山崎さんならば
あまりにあんまりな非情な事実。
残留孤児たちが受ける差別と実際に日本が行った非道が
バランスをもって天びんにかけられているならば
神様の天びんはあまりにも残酷に、子どもたちに
苦難を強いていく。何も解らずに自分の人生が
嵐の真っ只中にさらされている1950年代。
本当に命がけだったり、本気で何かに取り組む、
瞬間に僕らはどっしりと向き合っているだろうか?
中国に吹き荒れる、歴史の流れにもう翻弄されまくる
ひとりひとりの人間。無力でどうしようもないのに
自分の人生を諦めないすさまじい想い、志。
結局は、人生を形作っていく、人の絆。
それも、血とかそんな単純なものでは語れない
生きることの本質に迫る、結びつき。
最後に「わたしは大地の子だ」という主人公の一言の
あまりにも重いタイトルせりふに言葉を失った。
信念と自分の人生を自分で切り開く力を大事にしたい。
2009年4月28日火曜日
信念なんて報われぬ「沈まぬ太陽1〜5/山崎豊子」
正しく生きることと豊かに生きることが
必ずしも一致しないこの現代を膨大な取材から
あぶり出して、小説に仕立て上げる。
その作業は絶望的に夢なんてなかったりする
会社内の権力闘争の様を浮き彫りにしていく。
自分の信じる道を進めば進むほど
仕事の環境は厳しくなり、閑職においやられ
家族とは離ればなれになり、手の中には何も残らない。
本当に切ない。
海外赴任先から日本に戻る奥さんを見送るシーンが
あるんだけど、すごい雨の中、自分の背中がビショビショに
なって、子供を飛行機のタラップまでぬれないようにする姿を
見て、思わず名前を呼ぶのだけれど、雨が強くて奥さんには
聞こえないのね。
もう、声でないわ。切なくて。
正しいことしてんのに。
いい人、ちゃんとした人間関係はすべて手元に残るけれど
それを豊かな人生の作物だと言い切るには
あまりにも恵まれなさすぎて、現実的にすぎて、つらい。
一巻から五巻まで一気読み。
必ずしも一致しないこの現代を膨大な取材から
あぶり出して、小説に仕立て上げる。
その作業は絶望的に夢なんてなかったりする
会社内の権力闘争の様を浮き彫りにしていく。
自分の信じる道を進めば進むほど
仕事の環境は厳しくなり、閑職においやられ
家族とは離ればなれになり、手の中には何も残らない。
本当に切ない。
海外赴任先から日本に戻る奥さんを見送るシーンが
あるんだけど、すごい雨の中、自分の背中がビショビショに
なって、子供を飛行機のタラップまでぬれないようにする姿を
見て、思わず名前を呼ぶのだけれど、雨が強くて奥さんには
聞こえないのね。
もう、声でないわ。切なくて。
正しいことしてんのに。
いい人、ちゃんとした人間関係はすべて手元に残るけれど
それを豊かな人生の作物だと言い切るには
あまりにも恵まれなさすぎて、現実的にすぎて、つらい。
一巻から五巻まで一気読み。
2009年4月25日土曜日
どこまでも悪は悪「Cの福音/楡 周平」
アメリカから麻薬を密輸する男の
冷酷な完全犯罪術。
人間、善も悪もあるよねと思うけれど
一度すみわけた人間は意外とどちらも抱えながらなんか
生きたりしないんだなあ。ほんと。
いいもんはいいもん。
わるもんはわるもん。
淡々とくみ上げられていく悪いことするための仕掛けとか
だからこそリアルだと感じて、そういう世の中だなあと。
不思議なことにそこに嫌悪感もない。
そして、着々とお金がそのステージに集まっていくんだよな。
うん、まるで違和感もない。
中で出てきた「人に口を割らせるための凄い方法」というのが
また奮っていて、まずは麻酔で身体の痛みを感じないようにして
身体をナイフでざくっときるんだそうだ。見えるとこを。
痛くもないのに、自分の身体が割れて、そこから血がどぼどぼと
たれていくのを見るのは、もうどうにもならず恐怖らしい。
これは、怖い。目の前で身体をさばかれていくのは、かなわない。
冷酷な完全犯罪術。
人間、善も悪もあるよねと思うけれど
一度すみわけた人間は意外とどちらも抱えながらなんか
生きたりしないんだなあ。ほんと。
いいもんはいいもん。
わるもんはわるもん。
淡々とくみ上げられていく悪いことするための仕掛けとか
だからこそリアルだと感じて、そういう世の中だなあと。
不思議なことにそこに嫌悪感もない。
そして、着々とお金がそのステージに集まっていくんだよな。
うん、まるで違和感もない。
中で出てきた「人に口を割らせるための凄い方法」というのが
また奮っていて、まずは麻酔で身体の痛みを感じないようにして
身体をナイフでざくっときるんだそうだ。見えるとこを。
痛くもないのに、自分の身体が割れて、そこから血がどぼどぼと
たれていくのを見るのは、もうどうにもならず恐怖らしい。
これは、怖い。目の前で身体をさばかれていくのは、かなわない。
2009年4月4日土曜日
みんなが自分の人生を「孤宿の人/宮部みゆき」
大きな渦に巻き込まれながらも、
結局は自分の身の回りですべてが進み、
見える範囲の人たちに助けられ、
本人も分からないうちに少しづつ大きくなっていく。
そんなことを感じられる本だった。
実際に起こっていることとは全く違う次元で
人間の成長って起こっているのね。
江戸時代の話で、江戸から偉い人が流されてくると
いう設定で話がはじまるんだけど、
なるほどなあと思ったのは、悪いことが起こったときに
何かひとつ原因があると、もう何もかもがひとつの原因に
結びついていくということ。
江戸の罪人が、厄を運んできた、あいつは鬼だみたいな
噂が流れて、たまたま起こるいろんな災難がすべて
そのお偉いさんのせいになる。
でも、よく考えてみると、そんなことないんだよなあ。
悪いことって前からあったし、たまたま重なっても
次には実は毎回、新しい時間が流れるわけだし。
そんな負の連鎖の中でも、人が前に向かって変わっていき、
新鮮な人間関係が生まれていくという面白さがあった。
結局は自分の身の回りですべてが進み、
見える範囲の人たちに助けられ、
本人も分からないうちに少しづつ大きくなっていく。
そんなことを感じられる本だった。
実際に起こっていることとは全く違う次元で
人間の成長って起こっているのね。
江戸時代の話で、江戸から偉い人が流されてくると
いう設定で話がはじまるんだけど、
なるほどなあと思ったのは、悪いことが起こったときに
何かひとつ原因があると、もう何もかもがひとつの原因に
結びついていくということ。
江戸の罪人が、厄を運んできた、あいつは鬼だみたいな
噂が流れて、たまたま起こるいろんな災難がすべて
そのお偉いさんのせいになる。
でも、よく考えてみると、そんなことないんだよなあ。
悪いことって前からあったし、たまたま重なっても
次には実は毎回、新しい時間が流れるわけだし。
そんな負の連鎖の中でも、人が前に向かって変わっていき、
新鮮な人間関係が生まれていくという面白さがあった。
2009年3月31日火曜日
力はつくの?「交渉力/佐藤優」
どんな人が何のために読むのかは謎だし、ビジネス書には入らないと
思うのだけれど、なぜかビジネス書に「力」ものの一環として並ぶ。
ノンフィクションとして実名で外交舞台の様々を描いていて
その時々の人となりとか鋭さ、バランスなどが分かり面白い。
切れすぎてもダメになるし、愚鈍だから生き残るという不思議。
まあ、佐藤優側の目線だけで出来ている本なので、
ロシアスクール万歳、アメリカスクールくたばれ、みたいな気配はあって
そこはフェアではないけれど、信念があっていいとも思う。
何よりもドミノのように、ひとつの外交戦略が世界中に影響を及ぼし、
波紋のごとくに、うねりを生んでいく様は圧巻。
そして、国と国との間柄は、今でも圧倒的に個人のポテンシャルを
握っているということにいまさらながらに驚き、うらやましくも思う。
あとは、イスラエルという国の、政治的なあり方が非常に不安定かつ
利用されやすくしやすい、独特な形にグッときています。
イスラエルって難しい政治的な問題なんかと言いましたけど
実際は、そこひとつの思惑もあるから貫ける態度があるのだと思います。
しっかり、イスラエルのこととか追い込んで知っておきたいなあ。
政治家と官僚の、現実とドロドロと向き合いながらも
圧倒的に理想主義者的なドロドロもあるところがリアルだった。
必ずしも、勝ち負けだけでなく、カブトムシとクワガタについて
意外なことを知った。
思うのだけれど、なぜかビジネス書に「力」ものの一環として並ぶ。
ノンフィクションとして実名で外交舞台の様々を描いていて
その時々の人となりとか鋭さ、バランスなどが分かり面白い。
切れすぎてもダメになるし、愚鈍だから生き残るという不思議。
まあ、佐藤優側の目線だけで出来ている本なので、
ロシアスクール万歳、アメリカスクールくたばれ、みたいな気配はあって
そこはフェアではないけれど、信念があっていいとも思う。
何よりもドミノのように、ひとつの外交戦略が世界中に影響を及ぼし、
波紋のごとくに、うねりを生んでいく様は圧巻。
そして、国と国との間柄は、今でも圧倒的に個人のポテンシャルを
握っているということにいまさらながらに驚き、うらやましくも思う。
あとは、イスラエルという国の、政治的なあり方が非常に不安定かつ
利用されやすくしやすい、独特な形にグッときています。
イスラエルって難しい政治的な問題なんかと言いましたけど
実際は、そこひとつの思惑もあるから貫ける態度があるのだと思います。
しっかり、イスラエルのこととか追い込んで知っておきたいなあ。
政治家と官僚の、現実とドロドロと向き合いながらも
圧倒的に理想主義者的なドロドロもあるところがリアルだった。
必ずしも、勝ち負けだけでなく、カブトムシとクワガタについて
意外なことを知った。
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