2009年7月9日木曜日

感覚が死んでいるのか?「ダイアローグ・イン・ザ・ダーク」@青山

こんなに人間の感覚が麻痺しているのか?

もしくは、

こんなに人間の感覚というのは可能性に満ちているのか?

日常というものが、なにひとつ確かなことなどないことを

まざまざと感じさせてくれる出し物だった。

真っ暗な中を10人前後のパーティーで進んでいく。

それをアテンドするのは、視覚障害者の人。

驚くことに、彼らの真っ闇を動くスピードは半端ない。

ワープしたみたいに空間のあちこちに瞬間移動する。

というよりは、自分たちがまったく動けなくなる。

もう前後左右はもちろん、上下もあやしくなって

空間感覚というものが粉みじんに破壊される。

部屋のひろさもひろがりも失われる。

そんな100%まっくらな空間の中に

様々なテーマの世界がつくられている。

森を行き、川を行き、田舎の家をたずね、

バーで飲み物さえいただける。

そこで触った木の葉や幹の様子は、まったく別物。

生きていると感じる葉脈のもっこり感。

守っていく意志を感じる幹表面のごりごり感。

足の裏が生き返る不思議な感覚。歩くということは

地面と接することで、そこには楽しみがあると知る瞬間。

水とかゆらぐ音とかいいよねえとかいうけど

心底音だけ聞く体験すると、複雑に音がからみあっている。

ブランコとか乗ってみると、ちょっと無重力体験みたいだし、

家にある様々な電化製品も触りながら当てていくと

いかに機能に特化していて、しかも自然の中には

ありえないものを自分たちが作り出しているかがわかる。

なにせ、かたくて、冷たい。

石とかは不思議とちょっとあったかい感じ、残ってる。

プラスチックとは、ぜんぜん違うんだよねえ。

飲み物とか飲んでみると、身体に入っていく、

口の中で味がしみわたっていく感じって、

まさに全身で味わうみたいな生き返る雰囲気。

それにしてもすごい体験だった。

考えて形にした人、すごいわ!このイベント。

さらに、社会的なアプローチもよろしくて、

できるだけ恒久的に行うことで、視覚障害者の

安定的な雇用も目指しているらしい。

しかも、セカンドベストな職ではなくて、

みんながやりたがる誇りを持った仕事を作りだす

という。

うーん。いい企画だ。

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