2008年2月19日火曜日

ひとつでもひとつでも「横山大観/新たなる伝説へ」

ひとつでもいいから、芸術というものを

残したいと、ひたすら絵筆を取り続けたらしい。

横山大観という人。

もちろん、ものすごい政治力もあった人だから

きれいごとばかりでなく、ばっちいこともたくさんやって

芸術の世界で一流となり得たことは

間違いないのだけれど、

なんだろう?こうやって集まったのを見ると

本当に必死になってあがいているのが分かって

ちょっと胸が苦しくなる。

もう十分に地位を確立したであろう時代に

まるで見当違い?とも思える画風のモノを

がつんと描いてみたり、信じられない大作を

精根尽きはてる程の設計図と筆力で描き切ってみたり。

見ただけの感想で言えば、

なんともデザインな「群青富士」。

長い長い一巻にこの世に流れる

気を全部閉じ込めようとした「生々流転」。

日本の景色の魅力を瞬間密封「四時山水」。

そして、究極にとことんまで売れること

人気なものを考えたコンシューマー商品「海山十題」。

やっぱり、何はともあれ「海山十題」が

僕にとっては大観だった。