幕末から明治初期、まさに写真そのものが
日本に入ってきた時代に撮影されたものを集めた展示。
当時の写真は最先端技術で、写真館のそれぞれがプライドを
持って競い合っている様が、台紙のデザインなんかに見てとれる。
この台紙のデザインがびっくりするくらいフォントもデザインも
凝っていて、本当にほれぼれする。
写真技師たちのハイカラな様子が、細部からにじみ出る良さ。
あと面白かったのは、日本の観光地を撮りまくった名所シリーズ。
明治くらいのを見ると、今でも変わらない景色なのに、
いくらか山深い。そうだ、日本にはもっと木があり、森を抱えていた。
その中に、真っ赤だったり、金だったりの建物がすっと現れてくる
神聖さだったり、神々しさだったりがあったはずで、
そんな感覚を失いつつあるのは、もったいないなあと感じた。
さらに、地震現場をニュース的に撮影したものもあったんだけど、
そのつぶれかたは今も昔も変わらず、ほんとぺちゃんこ。
人間の力なんて、そんなもんだなあと思うほどに何も残らない。
あとは内田九一が撮影した明治天皇の肖像画のシリーズが
またよかった。なんか国を背負う気合いが思い切り写真に出てて、
時代を感じた。カリスマ感あったなあ、なにやら。
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