2009年4月10日金曜日

写真が日本に入ってきた!「夜明け前」@東京都写真美術館

幕末から明治初期、まさに写真そのものが

日本に入ってきた時代に撮影されたものを集めた展示。

当時の写真は最先端技術で、写真館のそれぞれがプライドを

持って競い合っている様が、台紙のデザインなんかに見てとれる。

この台紙のデザインがびっくりするくらいフォントもデザインも

凝っていて、本当にほれぼれする。

写真技師たちのハイカラな様子が、細部からにじみ出る良さ。

あと面白かったのは、日本の観光地を撮りまくった名所シリーズ。

明治くらいのを見ると、今でも変わらない景色なのに、

いくらか山深い。そうだ、日本にはもっと木があり、森を抱えていた。

その中に、真っ赤だったり、金だったりの建物がすっと現れてくる

神聖さだったり、神々しさだったりがあったはずで、

そんな感覚を失いつつあるのは、もったいないなあと感じた。

さらに、地震現場をニュース的に撮影したものもあったんだけど、

そのつぶれかたは今も昔も変わらず、ほんとぺちゃんこ。

人間の力なんて、そんなもんだなあと思うほどに何も残らない。

あとは内田九一が撮影した明治天皇の肖像画のシリーズが

またよかった。なんか国を背負う気合いが思い切り写真に出てて、

時代を感じた。カリスマ感あったなあ、なにやら。