「シーグラム絵画」と呼ばれる本来はひとつのレストラン空間に
飾られるはずだった壁画が、世界中から集められて一度に15枚を
見る事ができるという貴重な機会。
といっても、それほどマーク・ロスコがっつりはまったことがなく
ありがたみの実感は少ないんだけど、とにかく行ってみて、
感じてみようと決めた。
とにかくバカでかい赤っぽい、紫っぽい画が空間に配置されている。
「瞑想する絵画」というように、その空間に入ったところで、
さして気持ちがぐらつかない。うーむ。
でも、瞑想しなればと、結構長い時間いると、くるわくるわ。
さざ波のように自然の色が見えてくる。
本当にレストランに置いてあって、フルコースなんか食べたら
ちょっと感動する空間になったかもしれない。
夕日でもあり、朝日でもあり、血の色でもあり、
岩石の色でもある。ちょうどエアーズロックとかの真っ赤に染まる
感動的な瞬間にも似た激情も秘められている。
目の前にひろがる空間がどこまでも抜けていく
静かな静かな音のない景色の感動はなかなか味わえない。
やはり、セットで飾られるべきものが集まったときには
なんか計り知れない磁場を生み出したりするものだ。
海山十題のときも、伊藤若冲のときも思った。
そういうの好きだというのもある。
画家が考え抜いたプランに浸るのは、時間がかかるが、
すべてがパズルのように動き始めたときには
とんでもない感情の揺さぶりが隠されているケースが多いなあ。
それにしても、川村。遠いけど、とんでもなく豊かな建物。
常設展もすさまじいラインアップ。居心地よし。
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