2009年4月2日木曜日

自然を閉じ込める「うつわ/U-Tsu-Wa」@21-21DESIGN SIGHT

こんな展示。

本展は、陶作家ルーシー・リィーとジェニファー・リー、
木の作家エルンスト・ガンペールによる3人展です。
シンプルな中に大胆な手法や表現を取り入れ、
現代陶磁器の流れに大きな影響を与えたルーシー・リィー。
静かで抽象的な造形の中に、独特な自然観を投影する
ジェニファー・リー。
ろくろを使い、倒木や流木からその命を取り出すように
制作するエルンスト・ガンペール。

展示空間をかっこよく作ってて、水盆の上に

浮くかのように様々な器が宇宙よろしく置いてあるんだけど

もう今となってはかっこよさないなあ。この感じ。

古い感じした。逆に。見にくいし、うつわの色も出ていない。

照明にかなり大きな負荷が来ていて、まったく発色しない。

それでも、ルーシー・リィーのうつわは素晴らしい。

苔が積み重なるかのような表面。

大理石が切り取られているような乳白。

花の一瞬の赤を閉じ込めたかのような、滅多に現れない自然の赤。

積み重なる、茶色の地層。

そんな風に自然の瞬間を、うつわの中に感じるものが好きなので

この上なく幸せな感じだった。

エルンスト・ガンペールのうつわでは、もっと単純に木から

うつわを削りだしているんだけど、こうなると日本の木工で

はっきりと同じイズムが生きていて、ありがたいことなんだけど

そんなに驚きはない感じだった。

ただ、焦げ茶に沈んだ木を刳り貫くと、その中が黄金色に見える

木肌が現れるのは、新鮮な色彩だった。