こんな展示。
本展は、陶作家ルーシー・リィーとジェニファー・リー、
木の作家エルンスト・ガンペールによる3人展です。
シンプルな中に大胆な手法や表現を取り入れ、
現代陶磁器の流れに大きな影響を与えたルーシー・リィー。
静かで抽象的な造形の中に、独特な自然観を投影する
ジェニファー・リー。
ろくろを使い、倒木や流木からその命を取り出すように
制作するエルンスト・ガンペール。
展示空間をかっこよく作ってて、水盆の上に
浮くかのように様々な器が宇宙よろしく置いてあるんだけど
もう今となってはかっこよさないなあ。この感じ。
古い感じした。逆に。見にくいし、うつわの色も出ていない。
照明にかなり大きな負荷が来ていて、まったく発色しない。
それでも、ルーシー・リィーのうつわは素晴らしい。
苔が積み重なるかのような表面。
大理石が切り取られているような乳白。
花の一瞬の赤を閉じ込めたかのような、滅多に現れない自然の赤。
積み重なる、茶色の地層。
そんな風に自然の瞬間を、うつわの中に感じるものが好きなので
この上なく幸せな感じだった。
エルンスト・ガンペールのうつわでは、もっと単純に木から
うつわを削りだしているんだけど、こうなると日本の木工で
はっきりと同じイズムが生きていて、ありがたいことなんだけど
そんなに驚きはない感じだった。
ただ、焦げ茶に沈んだ木を刳り貫くと、その中が黄金色に見える
木肌が現れるのは、新鮮な色彩だった。
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