2009年3月31日火曜日

力はつくの?「交渉力/佐藤優」

どんな人が何のために読むのかは謎だし、ビジネス書には入らないと

思うのだけれど、なぜかビジネス書に「力」ものの一環として並ぶ。

ノンフィクションとして実名で外交舞台の様々を描いていて

その時々の人となりとか鋭さ、バランスなどが分かり面白い。

切れすぎてもダメになるし、愚鈍だから生き残るという不思議。

まあ、佐藤優側の目線だけで出来ている本なので、

ロシアスクール万歳、アメリカスクールくたばれ、みたいな気配はあって

そこはフェアではないけれど、信念があっていいとも思う。

何よりもドミノのように、ひとつの外交戦略が世界中に影響を及ぼし、

波紋のごとくに、うねりを生んでいく様は圧巻。

そして、国と国との間柄は、今でも圧倒的に個人のポテンシャルを

握っているということにいまさらながらに驚き、うらやましくも思う。

あとは、イスラエルという国の、政治的なあり方が非常に不安定かつ

利用されやすくしやすい、独特な形にグッときています。

イスラエルって難しい政治的な問題なんかと言いましたけど

実際は、そこひとつの思惑もあるから貫ける態度があるのだと思います。

しっかり、イスラエルのこととか追い込んで知っておきたいなあ。

政治家と官僚の、現実とドロドロと向き合いながらも

圧倒的に理想主義者的なドロドロもあるところがリアルだった。

必ずしも、勝ち負けだけでなく、カブトムシとクワガタについて

意外なことを知った。