2009年9月16日水曜日

光るモノが好き「WHITE/鈴木理策」@ギャラリー小柳

どうやら、きらきらするものとか

光るものが好きなのだと気付き始めた最近。

とにかくアートでも光をテーマにしたものに

ぐっと心を惹かれることが多い。

雪をテーマにした真っ白な写真は光に満ちている。

その白い色は、雪そのままを見ても感じることができず

写真になった瞬間に出てくる色で、この人のそういう類の

色はいつもいつも感心する。

なんだかピュアなのだ。

そぎ落とされたすっきりした色を感じることができる。

そういうのがあるから、写真にする意味があるんだと思う。

雪だけを撮っているのに、なぜか崇高な感覚さえあるのは

世界を違って見せてくれて嬉しくなる。

そこに、ほんの少し見える緑の生き生きと生ける姿。

その緑のフレッシュさ、命の力。不思議。

結果として、地球ってピカピカで、そこにある自然は透明で、

生きる命はミラクルだと、静かに静かに

感じることのできる写真たちだった。

ふと見た色は、目に映る以上で、心に残ることがあり

そんな景色を見事に写真に残すことができる写真家が

うらやましい。

泣け!これで泣け!「ROOKIES」

がむしゃらにやってるのを見て

心に響くことがある。

学園祭とかそうだった。さしてうまくないのに

なんか必死にぶつかっているのを見て

胸が熱くなったりする。

そういう類の映画だと思う。

画も別に凄まじいわけでもなく

ストーリーも先なんか全部予定調和で決まってるけど

そのとおりになっていくさまを、ぐっと見る。

はい!スイッチを入れてねというところで

これでもか、これでもかと単調なほどにテーマが

なりまくる。でも、それがキモチいい。

そんなテンションを支えているのは、きっと役者たちの想い。

みんなみんなどうしようもなく、この作品を愛しているんだと。

今の彼らに出来るすべてをぶつけて、ここにいるんだと。

そういうのって、学生演劇とかもそうだよなあ。

なんか、全力でできること何もかもやるっていう。

計算して出来ない分、無我夢中でやって、

結果、変な形でブレイクスルーしたりするんだよなあ。

あとビックリしたのは、前にいた女子が

本気で映画の野球を応援していたこと。

そんなにどきどきできないだろう?と思ったら

ほんとにヒット打ったら、キャーとかいって手をたたいてた。

脚本なのになあ、わからん。ああいう女子。

エロイ話から深い話のギャップ「愛を読む人」

なんかPRはエロイ話っぽい押しだった。

頭よわい30代の女性がインテリ10代の男性に

セックスを教える代償に毎晩毎晩、本を読んでもらうという。

なんだ、その千夜一夜。

まあ、ここまでの設定を聞けば、もう直球エロ映画。

と思って身構えてみていたら、とんでもなく深い話に

なっていく。そんなのありというほどに。

PRは間違ったんじゃないか?

これは、感動涙のストーリーで、たぶん日本人は

そっちの方が好きなんだぞ。たぶん。

後半に入って、時代に巻き込まれる2人の話になり

女性の方はホロコーストの実行犯として戦後つかまって…

という信じられない展開に。ええ!大河ロマン?

で、もともと字が読めなかった彼女が、

かつて彼に聞いた話の本を、必死に繰りながら

文字を覚えて、最後の最後にその文字でラブレターを

書くという、壮絶な50年史。

だった気がする。そういう感じで心に刻まれた。

いやあ、振り幅ってすごい。なんか複雑な気持ちになった。

泣いていいのか?なんなのか?

熱気とはこういうことか「エヴァンゲリオン 破」

もうだいぶ、ブログも停滞。

でも、停滞しても、ちょいちょい書くと

結構あとで読んだりするから、がんばって食らいつく。

もう7月のことでかなりうろ覚えなんだけど

この映画の不思議なところは中身よりも

圧倒的に映画館の雰囲気を覚えているところ。

新宿のミラノ座に見に行ったんだけど

あの巨大な映画館がびっしり。しかもほぼ同世代。

10代最後から30代くらいがどっさり。

青年会とかの寄り合いみたいな空気。

しかも、みんなはじまる前からエヴァ雑学を

喋りまくってる。右も左も後ろも前も。

そして、終わると衝撃のカーテンコール。

日本で映画館で舞台挨拶もなく自然に

カーテンコールの拍手が沸くのってはじめて体験。

熱。もう盲目なまでの熱。

中身はエヴァらしい混沌さはなくて、

ちゃんと整理された感情で作られているので

なんかあの頃見た斬新な多重人格ぽい売りは

失われている気がしたけど、その分、

普通の見世物としてのクオリティは高いと思った。

画もよく動くし、カメラワークの奥行きとか

アニメでしかできないし、アニメとは思えないし、

音もがんがん打ちつけてくる。

突然の童謡は、受け止め方微妙だったけど。

まあ、それはいろんなセンスがあるということで。

メガネキャラの女子が出てくるだけど

頭使って生み出されたキャラっぽくて

ぜんぜん魅力的じゃなかった。

あれ、必要だったのかなあ。