2008年5月22日木曜日

魅せる意識「大岩オスカール:夢見る世界@MOT」

実は、ほとんど今まで触れたことのなかった(と思う)

大岩オスカール。好きな部類だった。

ごつごつとしたモノよりもフワフワとした輪郭で

ちょいと毒気のあるファンタジーが好きなような

自分を最近感じつつあって、そこにはぴったりフィット。

楽しんだ。お題目としては、ボーダーレスであることが

生み出す美意識だとか、そういうことがテーマらしいのだが

実物を見ると、なんとも必死に街(都会)と向かい合う

田舎な人という印象が深くて、親近感を覚える。

溺れまいとばちゃばちゃするんだけど、

どうにも迫ってくるビル群がとんでもなくパワフルで

どうしようもないから、そこに自然を懐かしむ感じ。

都会の中の華に毒しか感じない風。

(でも、その華が好きで意外と都会から離れない。不思議)

田舎があることでしか分からない感覚で、そういうのって

最近財産だなあとか思う。

ドキュメンタリーの中で、リアルに美術作品を作って

売りさばいて、生活する計画性を語っていて、

その中で、絵を描くことがこのスピード社会の中で

いかにフィットしない行為なのかを語っていて

そうだ!そういえば!と考えてみると当たり前な

世の中の一面を感じて、納得した。

会社つくって、年にこれだけ描いて、

それにこれだけコストがかかって、

で、今まで描いた作品が世界各地に同時に回覧してて、

新作展をこんな風にやって、美の世界も完全に

お金に飲み込まれている。いい面も悪い面もある。

けど、世界はこうして動いている。



「ガーデニング」
「野良犬」
「クジラ」
「フラワーガーデン」