2008年6月7日土曜日

凄!凄!凄!「エミリー・ウングワレー展」@国立新美術館

オーストラリア中央の砂漠地帯で、
アボリジニの伝統的な生活を送りながら、
儀礼のためのボディ・ペインティングや砂絵を描いていたが、
1977年からバティック(ろうけつ染め)の制作をはじめ、
88年からはカンヴァス画を描きはじめる。
その後亡くなるまでのわずか8年の間に
3千点とも4千点ともいわれる作品を残した。
90年以降はシドニー、メルボルン、ブリスベーンで個展を開催。
没後も97年にヴェネツィア・ビエンナーレの
オーストラリア代表に選ばれ、
98年にはオーストラリア国内を巡回する大回顧展が開催された。

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そんな展覧会。

この人、80歳すぎて、絵筆をとったって。

いやあ、ダントツ今年一番です。

もう、なんか説明しにくい感じなんですけど、

すごい景色を観た時に、その景色に溶ける風に感じる

あの雰囲気が、絵の中に封じられているのね。

もうねえ、脳みその中の感動要素をまんま

外に出した感じで驚くことこのうえない。

プリミティブなモノが凄いとはよく言うけれど、

考えに考えぬいてきた現代西洋美術が行き着いた先と

大昔から続いてきた魂を描きつけたアートが

まったく同じ世界にたどりつく、その凄まじさ。

なんだろう?かたちをかたちとして見る訓練を

知らず知らずにしているんだなあとつくづく思った。

本当に点描でしかない抽象画なのに、

ふと何かがうかびあがる。意識って怖い。脳って何だ?

で、ひとりで一気にいろいろな観念世界を

ワープしていく、このおばあちゃんは本当に半端ない。

いやあ、いいもん観た。