2008年3月1日土曜日

ナイフの行く末「鴻池朋子/私の作品は他人のもの」

この人の絵には

ものすごい数の渦巻くナイフが

モチーフに向かって、突き刺さっていくのが

よく見られるんだけど、いつも気になるのは、

そのどちらにも向かわないナイフたちの存在。

なんだろう、勢いのなくなってフワッとした

中間に漂う感じであるナイフが妙にリアルで、

刺さらんと動き出す準備の段階のようで

嫌な予感が肌にびりびりくる感じがしてしまう。

表題のインスタレーションは

鏡のキラキラがきれい。

光に反射する鏡を見つけた時の人間の喜びって

もうたまらないものだったのだろうなあと

改めて感じてしまった。

キラキラしたのが、好きになって久しいが、

なにせ、光るということは、人間にとって、

どうしようなく魅力的に違いないと思うのだ。

オオカミのような像が、お尻を向けて

どこかに行こうとしている気配が、

とってもよかった。