2009年4月25日土曜日

どこまでも悪は悪「Cの福音/楡 周平」

アメリカから麻薬を密輸する男の

冷酷な完全犯罪術。

人間、善も悪もあるよねと思うけれど

一度すみわけた人間は意外とどちらも抱えながらなんか

生きたりしないんだなあ。ほんと。

いいもんはいいもん。

わるもんはわるもん。

淡々とくみ上げられていく悪いことするための仕掛けとか

だからこそリアルだと感じて、そういう世の中だなあと。

不思議なことにそこに嫌悪感もない。

そして、着々とお金がそのステージに集まっていくんだよな。

うん、まるで違和感もない。

中で出てきた「人に口を割らせるための凄い方法」というのが

また奮っていて、まずは麻酔で身体の痛みを感じないようにして

身体をナイフでざくっときるんだそうだ。見えるとこを。

痛くもないのに、自分の身体が割れて、そこから血がどぼどぼと

たれていくのを見るのは、もうどうにもならず恐怖らしい。

これは、怖い。目の前で身体をさばかれていくのは、かなわない。