女性がアーティストとして生きることが難しかった時代に
女性らしさを武器に勝ち上がったかのような印象だったけれど
観たら、逆に、なんとか男社会に食い込むべく、
徹底的に意味に縛られていて、全然軽やかなんかじゃなく
(説明だと軽やかに様々な境界を超えるみたいに言ってたんだけど)
むしろ、重く飛び立てない悲しい感じの満ちた展覧会だった。
日本のガーリーなものってやっぱり、軽やかさっていう意味では
まるで現れたことのない新種なんだなあ。
ひとりだちすることを強要されない社会って
(しなくても死なないという意味で)
不思議な奇形を生むよなあ、日本。
もうダントツ、カジノっていう作品が素晴らしくて
赤い布が奥の方からゆらゆらと流れてくる様は
本当に血液のごとく紅蓮さで、しかもドロついていて、
自分の中に流れる邪悪なものに包まれてる感じだった。
あとは、黒いシミというやつ。
狭い部屋に黒い羽がふわふわふわふわ漂う。
落ち居着くことなくふわふわふわふわ。
「邪」な感じがまっすぐに感じられる作品に
惹かれたのは、この人の本質が人をまともに観ないことに
あるからじゃないかしらと思った。
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