2008年2月12日火曜日

すごいシルバー支持「母べえ」

なんか久しぶりに見た、老人の群れ。

渋谷なのに。しかも、みんな少し迷ったらしく、

口々に「渋谷は怖い」みたいなことを言っていた。

で、映画館はギッシリ。

なんだろう?一生懸命生きることを知るためには

もうあの戦争に戻るしかないのだろうか?

でも、確かに、そういう気持ちになる。

この時代に生きているんだから、自分はなんと幸せかと。

本当に淡々と淡々と、涙のきっかけすら淡々と、

大仰なシーンはないだけに、蝕まれる日常が

明確に掘り下げられていく。

で、ナレーションだけで、さりげなく、

だけど、どうしようなく、身の回りの人が

獄中死し、孤独死し、原爆症で死に、戦死する。

身構えることなんか、一般の人には許されん。

気合を入れることなんかも、隙を与えてもらえない。

ただただ、時代に流される一家族を、同じアングルで

定期観察。そんな絶技。

そして、時代が現代?(戦後)に。

なぜ、こんな無理な時代のスキップをするのかと

正直、まるで分からなかったが、最後の最後の

母べえのセリフのため、それだけのためだった。

そのセリフこそが、この映画のあり方のすべて。

ああ、そうか、それでこの話なのか。

勇ましく、生きる。前向いて、生きる。全力で、生きる。

号泣。