2008年6月30日月曜日

汐留シティセンター

いみもなく
おびえてむねが
ばたばたと

皇居

クラック

テスト

執念。怨念。「アール・ブリュット/交差する魂」@松下汐留ミュージアム

アール・ブリュット<生の芸術>
(またはアウトサイダー・アート)と称される作品たちは、
正規の美術教育を受けていない人たちによって、
文化潮流や伝統、また流行などとは無縁に制作されています。
作り手本人のやむにやまれぬ思いにのみ司られ、作られているのです。
それゆえ作品は、人が人として存在する上で根源的に持っている
「表現したい衝動」というものの底流を、ありありと伝えて来ます。
この展覧会は、そうした芸術を初めて正当に評価した
ジャン・デュビュッフェにより創始された
アール・ブリュット・コレクション(スイスローザンヌ市)と
ボーダレス・アートミュージアムNO-MA(滋賀県近江八幡市)との
連携により企画されたものです。
既に評価の定まっているアール・ブリュット・コレクションの作品と
日本のアウトサイダー・アートが洋の東西を超えてここに初めて
歴史的な邂逅を遂げます。
双方の「交差する魂」は、私たちに未知の世界を見せてくれるでしょう。
民族や歴史、文化という背景が異なっても、人が表現に向かう
直裁なかたちには共通の夢が内包されており、
様々な社会的規制の束縛から精神の自由や独創を獲得する人間の力を、
ここで私たちはよりリアルに感じることが可能になるのだと思います。
通常の美術展という枠には収まらないボーダレスな世界。
私たちにとって表現とは芸術とは何であるのか。
多くの方々にとってこの展覧会が、それぞれの心の深い部分で
それを体感していただける機会になることを願っています。



そんなお題目の展覧会。

とにかくめまいがするほどの集中力を感じる。

もう徹底的。のめりこむ。他を見ない。いっさい。

でも、この状態になるには、何かを欠かさないといけない。

らしい。

やはり、考えて考えて考えてたどりつく、その先と

何かを失ってたどりつく、その先が同じだったとしたら

頭を使ってたどりつく場所の方が、素晴らしいと思う。

執念というか怨念というか、結局のところ分からない想いを

すごいって言い始めたら、極端な話、人間の力がおよばないモノが

何よりもすごいじゃんってことになったりして

それは、美しいものにたどりつこうとする感覚とは

相容れないものなんじゃないかなと思ったり。

そこにある、そのまま、自然を慈しむ感覚にきっと近い。

もう息苦しいくらいどろっとした空気が充満する展示室。

色、線、粒、紙きれ、盛り上がり。

そこに何かを発見して見せるのは簡単だけど

そんなこと意図されてないモノに何かを見いだすことが

商売になっちゃってるのが、気持ち悪い。
 

そういえばのこと「N.S.ハーシャ/レフトオーバーズ」@メゾンエルメス

言われて気がつくことがある。

見せられてハッとすることがある。

ここで並んでいるのは、一見まったく変わらない

人それぞれの食べ残し。っていうか最初気づかない。

なんだ?これ?って感じに、葉っぱとご飯が並んでる。

しかも、食玩で。

考えてみれば、食べ方って本当に個性があるよねえ。

散らかし方とか残し方とか。

この人、他にも寝てる姿をひたすら描いて

屋根一面を雑魚寝模様にしたりしてる。

人の生態の現れる痕跡は日常の中に出るんだなあ。

毎日の生活ってあなどれない。

決して、美しくないけれど、リアルに世界の見方に

響いたりする感じは悪くない。

最近のエルメスのインドビジュアルが大好きなので

まったくこの展覧会とは関係ないけど気分はいい。

日本に来て、食玩見て、心を奪われたインドのアーティストがいる。

日本にいて、そんなことまったく気づかない自分がいる。

どこに世界が切り取られるキッカケが眠っているかなんて

まったく分からない。