2008年10月5日日曜日

どこに響くか?「ひらかなくてもよい〜泉鏡花・天守物語/collol」@アサヒアートスクエア

感情が動くという類のお芝居と

圧倒的に美しいという類のパフォーマンスがあって

なんとか生活を潤して欲しいなあと思う場合、

考えさせる以上に何かしら働きかけて欲しいけれど

こちらがひたすらに問い続けないといけない類の

エンゲキが小劇場とか中劇場にはあって

そんな類の出し物だった。大学時代のほぼ同期の

エンゲキさんの公演。ちゃんと観たの、実ははじめてだった。

そういうジャンルと手を放って、コントばっかりやってたから

当たり前なんだけど、10年も経つと、随分依って経つ

ステージが違いすぎて、いいわるいの判断がしがたい。

もうこれは、世界が違う。ジャンルが違う。

彼らはたぶん自分たちのほんのわずかでも作り上げた

美しさの断片とか感動のかけらを観てもらいたいのだろう。

伝えるというよりは、観てもらいたいのだろう。

伝えることの訓練を積むのと、それは大きく違ったんだと

今更ながら痛感する。そうか、コミュニケーションではないんだなと。

泉鏡花の言葉がドルビーサラウンドみたいに

空間に舞うんだけど、身体の動きが邪魔をするからなあ、残念。

捨てるもん捨てないと、何も残らないんだろう。

あと、愛を演じるなら、もっともっと思い切りぐっちゃりするか

まるでからっとするかしないと、ひいてしまう。

そういう意味で芸能人のリミッターの外れ方はすごいんだなあと

気づいた。こういう異世界で自分のいる世界は気づかされる。

あの人たち、ほんとに一瞬ほれ合うからなあ。

あとは力を抜くのが一番難しいのは、ここでも一緒で、

まるで、そこは、つらかった。抜いたふりするのは簡単だけど。

みんな奥田民生とか高田純次にはなれないんだ。