2008年8月12日火曜日

人をみる「女教師は二度抱かれた/大人計画」@シアターコクーン

「キレイ」の恐れにも似た力技を比べると

何かすっと力の抜けた、居合いのような仕上がり。

「キレイ」は憑いたような脚本だったのだけれど、

今回はダラダラと想いのままに話が進行。

だれてないかと言われれば、完全にだれている。

ずるずると3時間超。

でも、その時間の緩さがあるからこそ、

役者の本領が発揮されて、それはすごいことに

なっていて、もう個人技のオンパレード。

大竹しのぶとかすさまじい。あの人、とんでもない。

なにもかもを手の中、腹の中におさめていて、

一声だして空気を変える。

大人計画の舞台では珍しく、松尾スズキを上回る

期待感、空間感、オーラ感。

何かが足りないと思ったら、クドウカンクロウがいない。

アベサダが相変わらずの脚本の見事なこなし、

ザ・大人計画を表現していただけに、一枚欠けると

意外と感じって失われるもんだなあと。

そのカンパニーの空気を体現する役者が

どこまで、その空気を背負ってくれるかは

大問題なのだろうなあ、とひしひしと感じた。

損したのは、きっと市川染五郎。

こなしきれなかったなあ、マッドな脚本を。

市川美和子もそうなんだけど、根がまっすぐな人は

(本当の意味でのコンプレックスがないのかもなあ)

わざとらしくなるんだよなあ、ねじれたメンタルが

知らずに表に出ちゃうところが。

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