何もかもがそろいすぎてて、もっと飛べるかと思ってたけど
いまいち(もちろん出来はよいんだけど)乗り切らない。
腹にもたれる感じが抜けない時がある。
隙間って大切なんだよなあ。野田さんのお芝居見てて
他の人が作ったものと違って楽しみなのは、
十二分に身体を使わされている役者の底にある人間が
むき出しになる方法がだいぶ独特だからなんだけど
今回はワークショップのアンサンブルの人たちが
その役目を担ってしまい、メインどころは自分たちの
まともな演劇に集中できたために、どうもたががはずれなかった
気がして、残念だった。何百年後の火星の話という突飛な
設定で完全新作のドラマを描き切るのは本当にすごくて、
松たか子もしっかりと心に残る声を出し、
何より宮沢りえがとても素晴らしく、あんなに自在に舞台を
生きる力をいつの間に手に入れたのかと思ったのだけれど、
どうしても心が動かず、不思議だった。全部が計算の範囲内だった。
もう少しステージ数が重なってくると、気持ちが舞台にあふれるのかも。
まだまだオペレーションな感じだったのだろう。SFだけに難しい。
説明がとにかく多いし。
女子が主人公っていうのが原因かもねえと、
同行者が言っていて、なるほどと腑に落ちる。
地球環境、食、様々な現在の問題って意外とステレオタイプなんだなあ。
現在に生きるって、そういうことなんだなあ。
面白かったんですよ、十分。
1 件のコメント:
なるほど、乗り切らないか。
「面白いんだけど…」
「よく出来てるんだけど…」
と、どうにも逆説で終わらせたくなるような感想しか出てこないのはどうしてだろうと思っていたのです。
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