こんな展示。
「アーティスト・ファイル」展は、国立新美術館の学芸スタッフが
日頃のフィールドワークの中で注目する作家たちを取り上げ、
それぞれを個展形式で紹介する展覧会です。昨年の第1回展に
引き続き開催する今回は、国内外で活動する9名に参加を
呼びかけました。
このたび選ばれた作家たちの年齢は30代前半から50代後半までと
かなりの幅があり、また作品の有りようも平面、立体、映像、
インスタレーションと様々ですが、いずれも自身の道を真摯に追求し、
独自の表現スタイルを獲得するに至っています。
彼らの仕事を通じて、今日の美術状況をご覧いただくと共に、
現代の作家たちがいかに社会に向き合い、どのようなまなざしを
持って制作を続けているか確認いただきたいと思います。
本展は、「さまざまな美術表現を紹介し、新たな視点を提供する美術館」
という当館の活動方針に沿って、毎年定期的に開催する予定ですが、
一方で美術情報の収集事業の一環として、展覧会に参加した作家の資料を
将来にわたりアーカイブ化し、広く社会に提供していくことも
構想しています。
つまり「アーティスト・ファイル」展は、当館が日本のアートセンター
としての役割を果たす大切な事業であり、我々スタッフの視点や活動の
真価が問われる展覧会として、総力を挙げて取り組んでいきたい
と思っています。
ということらしい。が、読むと、よくわからなくなる展示で
全く持って「現在」というところに行き着かない。
それって、やっぱり、今のコンテンポラリーアートが
陥る世界を動かさない感じにすごくはっきりと結びついているようで
悲しくなった。結局、個々人の感性にものすごく分断されているなあ。
だからといって、ダメなわけじゃなくて、すごくいいのもあるんだけど。
前の説明読むとねえ。というだけ。
参加は
ペーター・ボーゲルス(Peter Borgers)
平川滋子
石川直樹
金田実生
宮永愛子
村井進吾
大平実
齋藤芽生
津上みゆき
こんな人たち。
石川直樹の写真っていいと思ったことなかったんだけど
美術館にある富士山シリーズはよかった。
あんなに岩な感じの富士山の黒い塊はあまりなく
そこで見える山の力とかを映し出していることを感じた。
もともと津上みゆきさんの色は好きなんだけど
この人のこの色が好きっていうところまで
つかみきれないんだよなあ。そこがあれば欲しいとも
思うんだけど。この微妙な差は何なのか?
もうちょっと光感があるものの方がグッとくるのか?
何よりよかったのは、宮永愛子。
ナフタレンのいつものオブジェが
古ダンスの中に密かに眠っていて
その中でしずしずと時間を刻んで形をなくしていて
その空間が資生堂のときよりもグッときた。
もうひとつの時間を感じる仕掛けがまた秀逸で
陶器の釉薬が空気に触れて、ぴしっと音がなるんだけど
それをじっと待つのが、いい。
かなりざわざわし続けるんだけど、その中で音を待つ。
その生活への作用の仕方が気持ちよい。
こういう日常が壊れる感覚が、欲しいのだ。
齋藤芽生はアートとしては刺さらなかったけれど
セットなどの景色としては非常に参考になりそうな
ソースだった。
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