ティッセン・ボルネミッサ現代美術財団コレクションより。
ハプスブルク家のプライベートコンテンポラリーアート発注もの。
持つものと持たざるものをリアルに感じる展覧会の景色。
こんなもの、家に持ってこられても困るサイズ、スケール。
ちょっと壁に掛けられるようなものはまるでなく、
いちいち身体全身サイズ。そして落ち着く類のものはなく、
感覚を全部解放して、毛穴からすら入ってくる刺激を
とにかく取り込む感じの展示。いやあ、「美」というよりは、
本当に「刺激物」の印象の強い品物がずらり。
ケリス・ウィン・エヴァンスの蛍光灯柱とか直視できないくらい
ギラギラと身体に悪そうな光を放っているし、
カールステン・フラーの「Y」という作品とかは
自分の身体のまわりを白熱灯がぐるぐるまわってて
その様子を鏡でみたりすると、どこかに吸い込まれているような
妙な浮遊感を味わえる。
ロス・カルピンテロスの壁が砕け散る瞬間を、
実際のブロックで再現すたやつなんかは、
時間が止まった瞬間を自分が動ける状態で感じることの
違和感をいやおうなく押し付けてくる。
イエッペ・ハインの映す物体とかは、ジム・ランビーの
クラクラする文様と自分自身の姿が球形の中に閉じ込められる
お得なような感覚も。
マシュー・リッチーっていう人の色使いとか素材感とか
空間への絵の張り出し方とかが好きだった。あまり触れたことの無い人。
グオ・フェンイーっていう人の描いた絵は
執念の赤ボールペン画。もうひたすら線をひきまくる向こう側の世界。
彼に何が見えていたのか気になる。
図録ではまるでダメな、行かないと不可能な体験ばかりで
美術館冥利につきると思った。
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