2009年4月11日土曜日

最後はひとり「マイ・グランドマザーズ/やなぎみわ」@東京都写真美術館

若い女性が自分の50年後をイメージしたものを完全再現。

まあ、老人コスプレなんで、最初は結構くだらなくて楽しめたんだけど

ふと「みんなひとりだ」と気づいた時点でもう苦しい。

切なさで。そうなのだ、最後はひとりになることは誰も同じなのだ。

そして、不思議なほどにその傍らには男がいない。

看取っているところも、看取られているところもない。

ポスターになっているバイク乗りのばあちゃんの隣には

若いやもめがいるけれど、それ以外は本当にびっくりするくらい

自分の足だけで立って、世界と向き合っている。

これは切なすぎる覚悟だなあとしんしんと思ってしまった。

なんか人間関係の豊かさは、50年後にはみえないの、みんな。

さみしい、あまりにもさみしい。

好きだったのは、養子をもらまくる老女の話。

次の養子を引き取りにいくときに、それまでの養子たち全員を連れて、

新しい養子のいる土地まで旅を繰り返すんだって。

なんか、ロマンチックを感じた。

そうやっていとおしさを積んでいく感じ。

あとは気になったのは、今までつきあった男全員に

ありがとうの手紙を書き、その返信を壁一面に貼り、

それを読むことで余生を過ごしている女。

その行為そのものよりも確実に返事を出してしまう男子の悲しさに

ひそかに心打たれて、情けないけどリアルって思った。

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