2008年2月1日金曜日

海老蔵ボイス「雷神不動北山桜」

初海老蔵。初新橋演舞場。

歌舞伎ってやっぱり思い切り大衆演劇だよなあと

まるでひねりのないエンターテインメントに

わざと作ってある突っ込みどころ満載な隙に

そして、とことんそれだけに集中してきた人の技に

酔いしれる。

十八番が3つも入ってるゴージャスな演目を

一気に一日で見ちゃおうという回だったのもラッキーだった。

ベタなことをひたすらにひたすらに

人生を賭けて修練させていくことの大変さが

なんとなく透けて見えてグッとくる。

海老蔵、そりゃ大変だよ、この世界を支えることを

宿命に生まれてきちゃうのは。

リアルガラスの仮面。

小屋に響く海老蔵ボイスはなんだかそういう覚悟も乗って

エロく心に刺さる。人を酔わせる。

修練とは別の意味での選ばれた人だけが得る力もある。

勝手に人が寄ってくるのだ、そういうところには。

なんだか、そういう選民な感じが、

今のエンターテインメントにはもっともっと必要だと思う。

普通の人が多すぎる。フリをした人が多すぎる。

にしても、歌舞伎。

思いついた人はやはり天才。

能なんか下敷きにあったって、あんなメタモルフォーゼ、

絶対に到達しない。そういう民衆が熱狂する力が

今の現代演劇にはないから、つらい。

そこが一番大事なのに。

いつからクリエイターのものになってしまったんだろうか?

演劇。

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