2008年2月3日日曜日

単純な美との距離「中ザワヒデキの全貌」

中ザワヒデキはこんな人。

1980年代、アクリル画で
色彩とマチエール(質感)を探究し、
形態からの解放を推し進めていた中ザワは、
1990年に
初期のコンピューター・グラフィックス(CG)に
ポップ感覚を導入し、
無機質なCGのピクセル(画素)を強調して
有機的なマチエールを生み出すことに成功しました。
その「コンピューター・ペインティング」
とも言える新しい表現は
「バカCG」と呼ばれ一世を風靡します。
そして1996年、
ピクセルを2次元から3次元のボクセル(立体画素)へと
拡張することによって
コンピューター・モデリングの新体系を発明。
原理的な特許「3次元グラフィックス編集装置および方法」
「造形装置および方法」を日米で取得、
「芸術特許」と称し、のちに証券化されて
「特許証券」という美術作品が誕生することになります。
1997年には
ピクセルを文字や数字等の記号へと拡張することにより、
前人未踏の「記号絵画」へと邁進。
モノクロでありながら多数の記号が織り成すさざめきは、
彼にとってさざめく色彩の感覚と同じものでした。
そして2006年、
画面に再び原色の色彩が戻ってきます。
三原色を混ぜると灰色となるというアイディアから
「灰色絵画」「脳内混色絵画」と名付けられたシリーズは、
記号を経た色彩の新たな展開といえます。
また一方で、
「脳波ドローイング」という自分の頭に電極を取り付け、
脳の活動を自ら制御することによって絵を描く、
斬新な試みも行っています


何もかもが面白そうで、

試してみたらワクワクするだろうなあと

思いながらも、実物を見ると、

やっぱりなかなか「美」までは

行っていないものも多くて、コンセプトと美そのものが

いったりきたりするのを

自分の眼で確認することができるのが

価値のある個展だった。

出目がよくないこともあると思うし、

やっぱり理屈を越えたボーダーに

感性に訴えかける余白があるんだと思ったし、

でも、徹底的に理系で追い詰めることで

開けてくる「美」のナゾもあるんだろうし、

いろんなことを考えた。

単純な色になればなるほど

その赤がどの赤かが気になるし

マジにキレイな赤ってなんなのかって迷う。

自分が好きなモノをスクーリンニングしていく

楽しみも最近はよくあるので、

色の嗜好についても気になった。

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