大きな渦に巻き込まれながらも、
結局は自分の身の回りですべてが進み、
見える範囲の人たちに助けられ、
本人も分からないうちに少しづつ大きくなっていく。
そんなことを感じられる本だった。
実際に起こっていることとは全く違う次元で
人間の成長って起こっているのね。
江戸時代の話で、江戸から偉い人が流されてくると
いう設定で話がはじまるんだけど、
なるほどなあと思ったのは、悪いことが起こったときに
何かひとつ原因があると、もう何もかもがひとつの原因に
結びついていくということ。
江戸の罪人が、厄を運んできた、あいつは鬼だみたいな
噂が流れて、たまたま起こるいろんな災難がすべて
そのお偉いさんのせいになる。
でも、よく考えてみると、そんなことないんだよなあ。
悪いことって前からあったし、たまたま重なっても
次には実は毎回、新しい時間が流れるわけだし。
そんな負の連鎖の中でも、人が前に向かって変わっていき、
新鮮な人間関係が生まれていくという面白さがあった。
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