2009年5月29日金曜日

取材に基づくとは「大地の子/山崎豊子」

もはや、本当にこんなことが?という感覚を

もってしまう平和ボケ世代。

実際に起こったことを取材を通して、

話の中に封じ込めていくのが山崎さんならば

あまりにあんまりな非情な事実。

残留孤児たちが受ける差別と実際に日本が行った非道が

バランスをもって天びんにかけられているならば

神様の天びんはあまりにも残酷に、子どもたちに

苦難を強いていく。何も解らずに自分の人生が

嵐の真っ只中にさらされている1950年代。

本当に命がけだったり、本気で何かに取り組む、

瞬間に僕らはどっしりと向き合っているだろうか?

中国に吹き荒れる、歴史の流れにもう翻弄されまくる

ひとりひとりの人間。無力でどうしようもないのに

自分の人生を諦めないすさまじい想い、志。

結局は、人生を形作っていく、人の絆。

それも、血とかそんな単純なものでは語れない

生きることの本質に迫る、結びつき。

最後に「わたしは大地の子だ」という主人公の一言の

あまりにも重いタイトルせりふに言葉を失った。

信念と自分の人生を自分で切り開く力を大事にしたい。

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