システムとしては理解しているんだけど
死んだ人の怨霊が…という考え方が、能やら歌舞伎やらには
しっかりあって、この世の中はそういったものがあるから
とってもエモーショナルな感動的な、ある意味恐怖なことが
起こって面白いという、ことなのかな?
身体の感覚として、ああ、そうだなあ、それは
こわくて、かつ面白いなあなんて気付いたことはなかったんだけど
今回、現代版と歌舞伎の桜姫を見て、なんだか一番考えたのは
そこだった。人が消えるということの不可思議を、生きている
人間の気持ちとうまく結びつけて進んでいくお話は、
あの世とこの世のつながりをイメージしないと何の深まりも
見せない嘘っぱちなものになってしまうけれど、
愛し合う中で身を投げたり、生き残ってしまったり、
それを悔いてみたり、喜んでみたり、非難してみたり、
結局、どうしようもない戻ることのできない時間の中で
感情が右往左往するのはたまらなく面白いなあと感じた。
現代版の方を見ただけだと思わなかったんだけど、
オリジナルの歌舞伎の方とあいまったときに
しみじみと考えさせられた。あとは、そういう世界を失っている
今っていう世界ってどうなのだろう?とか。
気持ちは逆にどんどん薄っぺらになっているのかも
しれないなあとふと思ってしまった。
それにしても、歌舞伎役者さんって、やっぱり上手い。
アドリブに近づいていけばいくほど、場数が違うからか、
型があるからか分からないけれど、妙に場にしっくりと
生きながらえる。なんか小笑いとかが異常にうまくはまる。
あの技はなんだ?あれ。
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