2009年10月6日火曜日

分からないし想像できないし「来来来来来来/劇団本谷有希子」@本多劇場

本当に女子というものがそうかは分からないけれど

少なくとも身近にいる女子たちが感じている

世の中への不条理が、濃縮されて、搾り出されて、

どろどろと溶け出しているような舞台だった。

あんな情念は、わからないし、想像もできない。

自分のあり方を見失っている人々が、東京から離れた

田舎に集団で生活をしていて、もうかなりの虐げられた

生活をしているんだけれど、それでも自分のあり方とか

居場所みたいなものを失わないならば、そのことを

幸せに思えてしまう、思わないと壊れてしまう、

そんな女子たちがごっそり出てくる。次から次へと出てくる。

一番まともそうなやつでさえ、平気でうんこを手で掃除したりする。

人を狂ったほどに、ののしったりする。ガンガン叩いて虐待したりする。

だんなの暴力に笑いながら耐えていたりする。

みんなの想いは、ひとつに感じる。

わたしはここにいてもいい。

それを認めてもらえれば、どんなに生活が悲惨でもなんだか耐えられる。

女子の思い込み力というか、なんというか。

男子はあまりそういうのはない。特に今の男子は。

だから、もしかすると、軟弱なのかもしれない。

意思というか、思いが現実を凌駕していかない、ほどほどだから。

まあ、想像つく範囲でしか認められない。生活できない。

見ていて、悲惨だな、女子の世界とも思ったが、

これがあるから今は女子の方が骨があり、前に進んでいくパワーに

満ちているのだろうと思った。

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