ちゃんとしたオペラはべらぼうに高いので
見たことがなかったが、見てみたらものすごかった。
唄の超人がぞろぞろ出てきて、
バカでかいセットが信じられん転換をみせ、
美音の生クラシックが鳴り響く。
こんな三種の神器がそろえば、心に響かないわけがない。
テレビでみるのと全然違うのなあ、やはり。
音圧というか音の重なりが違う。
ちゃんと悲しいシーンでは悲しい音が何層にもなり
時に、音は勇ましく、声は悲しく、セットは晴れやかなんていう
不思議な時もあり、それで気持ちがまたぐいっと動いたり。
敵どうしの姫と王子が恋に落ちるというベーシックな話なんだけど
初演はスエズ運河開通記念に作られたらしい。
そうか、すごいな。歴史に刻まれてた瞬間にあわせて
その地域をテーマにしたオペラがおろされるって。
エジプトとエチオピアの話で、エジプトファラオ的なセットに
もう百人くんだりの人間がのぼって、わんわん歌う。
しかも、その音の渦を、主役の声が突き抜けてくる。
はまったら、おそろしい、オペラの世界。
いくらあっても、足らないわ。
おっさん、おばさんが休憩時間にはホールに満ちていて
スーツ観客の山にも久々に遭遇した。金持ってるわ、日本人。
0 件のコメント:
コメントを投稿